挑戦の先に見える景色を求めて。ロングトレイルで「生きる力」を取り戻そう

こんにちは、トミマツタクヤです。このメディアでは「ロングトレイルに挑戦したい」方に向けて、ロングトレイルに必要な準備・心構え・掃除・ノウハウなどを発信しています。今回は自己紹介も兼ねて、ロングトレイルに魅了されることになったキッカケや、このメディアを通して届けていきたいことについて書かせていただきました。ぜひ最後までご覧ください。

ロングトレイルとの出会い

ぼくは 2020年1月から『テアラロア』という 総距離3,000kmに及ぶニュージーランドの最長ロングトレイルに挑戦し、約2ヶ月半に渡って1,100kmを歩きました。コロナの影響によるパンデミックによって現在、その挑戦は中断していますが、2021年11月に再開し 残りの1,900kmを踏破する予定です。

これほどの長期間・長距離のロングトレイルは初めてでしたが、ぼくがロングトレイルの世界に魅了されるキッカケとなったのは、ニュージーランドの「世界一美しい散歩道」と称される Milford Track(ミルフォード・トラック)でした。ニュージーランドは大自然の宝庫で、ミルフォード・トラックに限らず、数々の美しいトレッキングコースがいたるところに点在していて、一生かけても遊び尽くせないのではないか…と思ってしまうほど、国中に魅力的なトレッキングコースで溢れています。

ニュージーランドで最も美しいとされる10のトレッキングコース Great Walks(グレート・ウォークス)を中心にたくさんのロングトレイルを歩きましたが、その中でもミルフォード・トラックは別格。この3泊4日・53.5kmで体験した感動は一生忘れることはないでしょうし、死ぬまにで何度でも味わいたいと思うほど、ぼくにとっては衝撃的な体験でした。

もしミルフォード・トラックを経験してなければ、ぼく自身が「ニュージーランド写真家」として活動することも、ニュージーランド最長ロングトレイル『テアラロア』に挑戦することもなかったと思いますし、それほどまでにミルフォード・トラックでの体験は衝撃でした。日本の登山好きの人たちにも、ぜひこのミルフォード・トラックを体験してみて欲しいと思っています。

ロングトレイルを通して届けたいこと

話が少し前後しますが、ロングトレイル以前に、登山を始めることになったキッカケは25歳の時に発症した原因不明の腰痛でした。当時はシステムエンジニアとして働いていたのですが、朝から晩まで1日中座りっぱなしの仕事。一時はまともに歩けなくなるほど悪化し、どこの病院に行っても言われるのは原因不明の一言。当時は「一生このまま何もできないまま、人生が終わるかもしれない…」と人生に絶望していました。

そんな状況の中、ぼくは昔からずっと「やりたい」と思っていたことがあって、それは世界一周の旅

20歳のお祝いとして、父親から一眼レフカメラをプレゼントしてもらったのことをキッカケに写真にすっかりハマってしまい、一人旅に出ては写真を撮る、という学生時代を送っていました。そしていつしか世界中を旅して、自分が見たもの・体験したことを写真に収めたいと強く思うようになっていました。

ぼくはその夢を叶えるために病院を渡り歩き、約半年に渡る治療とリハビリの末、ようやく普通の生活ができるまでに回復。体調が良くなるにつれて活動範囲もどんどん広がり、色々なことに挑戦するようになっていました。

最初はリハビリとして高尾山を登り、燕岳を登り、そしてずっと行ってみたかった屋久島で人生初の縦走をしてみたり、富士山に登ってみたり。最初はリハビリの一貫として始めた登山でしたが、いつしか「歩いてしか見ることのできない景色」との出会いに大きな喜びを感じるようになっていました。

九州最高峰の宮之浦岳(屋久島)
富士山でのご来光

そして25歳の時に会社を退職。世界一周の準備を進めていきました。

当時 英語をまったく話せなかったぼくは、1カ国目の条件として 【①英語を学べる】こと、そして【②登山が楽しめる】ことの2つを軸にピックアップ。カナダとニュージーランドの2カ国で迷いましたが、「世界一美しい散歩道」と言われる ミルフォードトラックや、ミルキーブルーが広がるテカポ湖など調べれば調べるほどニュージーランドに惹かれ、1カ国目としてニュージーランドを選びました。

そして冒頭でも書いたように、ニュージーランドで最も美しいとされる10のトレッキングコース “Great Walks(グレート・ウォークス)” を中心に数々のロングトレイルコースを歩き、中でも「世界一美しい散歩道」と称されるミルフォード・トラックでの体験は一生忘れられないものとなりました。

自然と触れることで、本来の自分へと還っていくようなあの感覚。

SNSやテクノロジーの発達によって、今は自然と触れる機会がめっきり少なくなりました。ぼく自身も20年以上を東京という世界有数の大都市で過ごし、コンクリートジャングルの中で自分はどう生きたいのか、何を大切にしたいのかを見失っていましたが、ニュージーランドでの大自然の中で暮らしたこと、そして何よりロングトレイルと出会ったことで、自分の中に眠っていた「生きる力」を取り戻すことができたように感じます。

自然と触れることで、人間本来が持つ「生きる力」を取り戻すそれがロングトレイルの一番の魅力であり、挑戦する意義だと思っています。そんなロングトレイルの魅力をたくさんの人に届けていきたい。ロングトレイルに挑戦したい仲間が繋がれる場所を作りたいという思いから、このメディアを起ち上げることを決めました。

Lake Wanaka, New Zealand
最後に。

すっかり長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。ロングトレイルを通して、自然と触れることの大切さを感じてもらったり、自分の中に眠っている「生きる力」を取り戻し、たくさんの人が豊かな人生を育んでもらえることを願っています。

そして冒頭にも書いたように、2021年11月からニュージーランドの最長ロングトレイル『Te ARAROA(テアラロア)』への挑戦を再開します。ロックダウンにより、1,100km地点でしばらくの期間 中断していましたが、この挑戦を通して、たくさんの方にロングトレイルやニュージーランドの魅力、そして挑戦することの大切さを届けていきたいと思っています。ぜひ暖かく見守っていただけたら幸いです。

それではまた。

トミマツタクヤ

ニュージーランド写真家

2013年ワーホリで訪れたニュージーランドの大自然に惚れ込み、登山を本格的にスタート。そして「世界一美しい散歩道」と称される Milford Track(ミルフォード・トラック)をキッカケにロングトレイルの世界に魅了される。2020年には念願だったニュージーランド最長ロングトレイル 『Te ARAROA(テ•アラロア)』に挑戦するも、ロックダウンにより1,100km地点で中断。現在は 2022年11月再開を目指し、ロングトレイルを通してニュージーランドの魅力を発信中。将来の夢はニュージーランド移住。

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▶︎ Website:Takuya TOMIMATSU Official Media
▶︎ 著書:ガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND
▶︎ 撮影用HP:TAKUYA LeNZ Photography

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