ニュージーランド最長ロングトレイル『テアラロア』3,000km縦断への挑戦

ニュージーランドを最北端から最南端へ。写真家トミマツタクヤが約3,000kmに及ぶニュージーランド最長ロングトレイル『Te ARAROA(テ・アラロア)』に挑戦。ロックダウンにより1,100km地点で中断するも、2022年11月からの再開が決定。人生最大の挑戦の第2幕がいよいよスタートする。

正直、自分でもアホだと思った。

こんなことをやりたいと思うなんて。
こんなことにチャレンジしたいと思う自分がいるなんて。

でも、やるなら「今」しかない。
やらないと一生後悔する。

それだけは間違いない。

ぼくは2020年1月 ニュージーランドで最初で最後となる、人生最大のチャレンジに挑みます。

Te ARAROA(テ・アラロア)とは?

手付かずの大自然が数多く残り、Great Walks(グレート・ウォーク)を始め、「世界で最も美しい散歩道」と称されるミルフォード・トラックなど、世界中のハイカーを魅了し続けているニュージーランド。そんなニュージーランドに数多くあるトレッキングコースの中で「究極のロングトレイル」と言われているのがこの『テ・アラロア』

『テ・アラロア』とは、ニュージーランドの最北端ケープ・レインガから 最南端の町ブラフを結ぶ、総距離3,000kmのロングトレイルコースのことで、毎日20kmのペースで歩いても150日かかる道のり。通常約4~6カ月間をかけて、ニュージーランド全土を縦断します(ちなみに日本最北端の宗谷岬から最南端 沖ノ鳥島まで2,845kmだから、そう考えるととてつもない距離…)。

またこの『テ・アラロア』とは、ニュージーランド先住民マオリ族の言葉で “The Long Pathway(長い道のり)” という意味だそうで、現地の人たちは、テアラロアのことを略して “TA(ティーエー)” 、これを歩くハイカーのことを「TAハイカー」と呼んでいます。

ニュージーランド現地でも「テ・アラロア」の存在は浸透しているみたいで、コース上を歩いているとしばしば「Are you TA Hiker?」と声をかけてもらいました。ちなみに、テアラロアのコース近辺にある有料キャンプ場やゲストハウスでは「I’m TA Hiker」と伝えると割引してくれるところもあるので、テ・アラロア挑戦者はぜひ一言伝えてみることをお勧めします。

そんなニュージーランドにおいて「究極のロングトレイル」と言われる『テ・アラロア』ですが、最大の特徴は自然の中だけでなく、市街地・牧場・ビーチなどもルートに含まれていること。オークランドやウェリントンといった大都市もコースの一部で、現地のカフェやファーマーズ・マーケットに寄ったりと、ライフスタイルやカルチャーとも触れ合うことができるコース。つまりテアラロアは “ニュージーランドのすべて” を満喫できるロングトレイルコースとして、年々人気が高まっています。

現時点で1,100km地点まで歩みを進めていますが、特に「現地の人との出会い」は何物にも代えがたい経験でした。約2ヶ月半という期間でしたが、この間にいったいどれだけたくさんの人に声をかけてもらい、助けてもらったか…(このエピソードについてはまた別の機会に詳しく書いていこうと思います)。街にいる間に身体をしっかり休めて、美味しいものを食べて、必要な食材や買い出しをして、また大自然の中へと歩みを進めていくー。そんなサイクルで身体と心をケアしながら、旅を進めていきました。

テアラロアのスタート地点となるNZ最北端『ケイプ・レインガ」
カフェ8大都市として有名なNZの首都ウェリントンもコースの一部
▶︎ ニュージーランドの基礎情報

同じ島国で、同じ先進国。日本と同じように四季があり、気候も似ているなど「姉妹国」と称される日本とニュージーランド。国土面積も日本の約3/4とそれほ変わりませんが、日本の人口が1億2,000万人に対して、ニュージーランドはわずか500万人たらず。初めてニュージーランドを訪れる人はその人の少なさ(特に南島)に驚くことかと思います。

またニュージーランドは南半球に位置するので、北に向かうほど暖かくなり、南に向かうほど寒くなります。季節も逆なので、ニュージーランドは12~2月が夏、6~8月が冬となります。

またニュージーランドの国土は、上の写真と同じように北島と南島に大きく分かれており、北島に人口の8割が集中し、南島にはわずか2割(つまり100万人にも満たない人数)。「まるで別の国?」と思うほど、北島と南島の雰囲気が異なるため、個人的にはニュージーランドのライフスタイルを味わいたいなら北島、大自然を満喫したい人には南島の旅がおすすめです。
ぼくが『テ・アラロア』に挑む理由

でもぼくの目標は ただ「3,000kmを歩き切る」ことではなく、このチャレンジを通して成し遂げたいこと。それは『テ•アラロア』への挑戦を通して、人生を180°変えてくれた ニュージーランドの真の魅力をたくさんの人に届けること。

かつてため息ばかり、愚痴ばかりだったぼくの人生は、ニュージーランドでの体験をキッカケに大きく変わりました。それは決してぼくだけの話ではなく、ニュージーランドを訪れたことをキッカケに 自分の生き方を見つめ直したり、新たな人生の一歩を踏み出す人がたくさんいます。

誰かの人生や生き方までも変えてしまう、ニュージーランドの本当の魅力とは?

少し大袈裟に聞こえてしまうかもしれませんが、ニュージーランドの一番の魅力はそこだとぼくは思っていて、この挑戦を通して 今の人生や生き方に疑問を抱いている人たちに、何かしらのメッセージを届けられたらと思っています。

挑戦の先に見える、美しい景色を求めて

ぼくは今「ニュージーランド写真家」として、毎年 数ヶ月間をニュージーランドで過ごしていますが、日本に帰国するといつも感じることがあります。

それは日本の人たちの〝笑顔〟が極端に少ないこと。

電車に乗れば、暗く 疲れ切った表情をしている人たち。でもそれは他人ではなく、かつての自分の姿でした。

このテ・アラロアの挑戦では、たくさんの困難が待ち受けていると思います。でも何かにチャレンジした先には「勝ち負けを超えた世界」が必ずあって、たとえ失敗したとしても その経験だけでも失うものの何倍もの価値があると、ぼくはそう信じています。

挑戦したからこそ、出会えた仲間がたくさんいて
挑戦した先には、美しい景色がたくさん待っていてくれました。

失敗を恐れるな。何もしないことを恐れろ。

本田宗一郎(ホンダ創業者)

挑戦に失敗は付き物。きっとぼくはこの挑戦でもたくさん失敗すると思います。でも失敗した先にも美しい景色や、一生忘れられないような出会いや感動があると信じて、ぼくは『テアラロア』3,000km踏破を目指します。ぜひ応援よろしくお願い致します。

トミマツタクヤ

谷川岳から見えた雲海
Te ARAROA 3,000km縦断への挑戦 スポンサー様
<アウトドアプロダクト提供>

MAMMUT SPORTS GROUP JAPAN 株式会社

MSR

THERMA-REST

platypus

SEAL LINE

Pack Towl

モンベル株式会社

山本光学株式会社OUTLAND

<行動食提供>
マリリニュージーランド株式会社

リファイン株式会社

NATURE THING
<トレーニングアドバイザー>
仲野整體 東京青山 (仲野孝明先生)

心和堂(新井大介先生)

トミマツタクヤ

ニュージーランド写真家

2013年ワーホリで訪れたニュージーランドの大自然に惚れ込み、登山を本格的にスタート。そして「世界一美しい散歩道」と称される Milford Track(ミルフォード・トラック)をキッカケにロングトレイルの世界に魅了される。2020年には念願だったニュージーランド最長ロングトレイル 『Te ARAROA(テ•アラロア)』に挑戦するも、ロックダウンにより1,100km地点で中断。現在は 2022年11月再開を目指し、ロングトレイルを通してニュージーランドの魅力を発信中。将来の夢はニュージーランド移住。

▶︎ SNS:InstagramTwitter
▶︎ Website:Takuya TOMIMATSU Official Media
▶︎ 著書:ガイドブック『LOVELY GREEN NEW ZEALAND
▶︎ 撮影用HP:TAKUYA LeNZ Photography

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